先日、女性起業家の方を対象にした経営セミナーをさせていただきました。流石、ビジネスに向かう女性たちです。みなさんキラキラ輝いていました。
終了後に多くの方からfacebookでメッセージをいただきました。その中にこんなのがありました。
「今まで、ビジネスという言葉に苦手意識と反感がありました・・・」
きっとこの方はいい人なのでしょう。お金の話に抵抗感があるのか、商売とは人に媚びることだと思っているのか分かりませんが、日本人の美意識ではありがちなタイプです。
しかし、「お金は汚いものだから私はいらない」と言うのならいいのですが、「お金は汚いものだけれども欲しい」と言うのでしたら、自分自身の中に矛盾が生じてしまいます。
心理学に「認知的不協和理論」というのがあります。たとえば次のようなものです
私はタバコを吸っている
喫煙は身体に害がある
一人の人間の行動と思いとの間に矛盾があると、精神的に落ち着かなくて不快になります。この不快感(不協和)を解消するためには、二つの認知を可能な限り協和状態に戻して精神を安定しようとします。つまり行動と思いの変えやすい方の認知を変えるのです。
この例では、禁煙したらそれで心理的なストレスから開放されますが、普通はそんなに簡単にいきません。
反対に、「喫煙と肺がんの因果関係は証明されていない」「喫煙よりも交通事故による死亡の可能性の方が高い」などと、自分にとっての有利な情報を集めにかかり、喫煙習慣を正当化してしまうことで不快感から開放されようとします。
同様に、
1.お金を欲しい
2.お金は汚い
この認知状態でビジネスが上手くいったら不思議なものです。そしてビジネスが上手くいかなかったときに、「金儲けはよくない」「お金持ちは汚い」と自分自身を心の中で正当化できてしまうのです。
ビジネスは他人の役に立つものですし、お客様に評価された結果が売上げですから、収入が多いことは素晴らしいことです。「お金は汚い」という認知が変わったら、より前向きに楽しく仕事に取り組めるのではないでしょうか。
普通の人にとって、お金を得る行為は仕事以外にはありません。できたらお金に対してプラスのイメージが持てたらいいですね。