仕事を人に任せることが出来ず、自分でやらないと気が済まない人がいます。それではどんなに頑張っても一人の実力いっぱいの仕事しかできません。
　
　たとえ効率は落ちたとしても、他人に任せることができたら、自分ひとりが頑張るよりももたらされる収益は多いのです。　　
　ある社長はたった一人で創業し、自分一人の作業だけで1000万円以上の収入を上げていました。

　私は忙しくしている社長に社員の採用を勧めたのですが、あまり乗り気ではありません。他人に気を使うのが面倒なのだそうです。一人で1000万円以上稼げているのですから本人的にはそれで十分なのです。

　それでも強く勧めると、意を曲げて一人の社員を雇うことにしました。真面目な社員との出会いでした。それから10年、今では社員は5人に増えました。　

　途中、社長が体調を崩して数ヶ月間入院したときには、社員の頑張りで会社はお客様に迷惑をかけることもなく乗り切ることができました。もしも社長が一人でやっていたらと考えるとゾッとします。

　若いころは無理もききますが、年齢を重ねると頑張りもきかなくなります。会社は社長がどれだけ頑張るのかが大切なのではありません。会社全体で上げる生産性が大切なのです。