「今日は疲れたね」。先日、社員たちとフルマラソンを走った帰りの車中で私が発したひと言です。そこにいたベテラン社員が、大石の口から「疲れた」という言葉を初めて聞いたと言っていました。
たしかに、私は日ごろ「疲れた」とは言わないですし、一人でいるときでもため息をつくことは絶対にありません。
もっとも、疲れた、痛い、暑い、寒いなどを状況や事実を口にすることがいけないと思ってはいません。それより、その後に続く言葉や態度の方が気になります。
「疲れた、ふぅ~」、「痛くて、やってられないっす」、「寒くて、嫌になっちゃうよ」……言った本人は楽になるのかもしれません。しかしマイナスの言葉が状況を改善してくれることはなく、むしろ相手にイメージとして残るのはマイナスの印象だけです。
言葉は間違いなく態度に影響します。プラスの言葉を発しながら、気だるい態度の人はいません。また、いつも愚痴って後ろ向きなことばかり言っている人に行動が俊敏な人もいません。
マイナスの態度をとるから、言葉がマイナスになるのではないのです。言葉が態度を決定するのです。そしてその態度が、精神状態や健康状態に影響するのですから言葉は大切です。
お会いして話が終わった後、楽しかったと思える人とそうでない人との違いは、会話に笑いがあったかどうかとはあまり関係がない気がします。
別れた後に、やる気が出たり、さわやかな気分になれたりする人にはまた会いたくなります。ブラックユーモアや自虐的な話などは、その場限りの可笑しさのみで心地良い余韻は残りません。
仕事には、躓き、失敗、クレームはつきものですから、ある瞬間においては楽しいことばかりではありません。その事実に対して、マイナス言葉で終わらせるか、プラスの言葉に置き換えられるかの習慣は、後の人生においてあり得ないほど大きな違いになって表れる筈です。