借金のススメ

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 タイトルが良くありませんね。本当は借金なんていいはずがありません。すべてを自己資金で賄えたらそんなにありがたいことはありません。

 しかし、借金をしないことでビジネスの機会が縮小するようでは、それもどうかと思います。会社経営に借金はつきものなのです。自己資金に合わせて事業規模を決めてしまうのは、決していいことではありません。

 新たな設備投資をすることによって、収益が増加する或いはコストが削減できるなど、その投下資金以上のメリットがあるのでしたら、借金してでも投資した方がいい、と考えるのが経営の常道です。

 仮に、土地持ちではあるが自己資金がまったくない人が、アパート経営を始めたいとします。この人が建築資金を全額ためてから着工するのでは、アパート経営を始めるまでに何十年かかるかわかりません。そんなことをしている間に時代は変わってしまいます。

 これは不動産賃貸業だけではなく、他の業種でも同じです。そば屋を始めようと思うのでしたら、資金をためるのではなく、先に借金して店舗を構え、商売の収益の中から返済していくのがいいのです。

 つまり、未来の成果を先取りするという観点から、借金は企業の成長にとって有用な手法なのです。何が何でも借金は嫌いという人は経営者に向いていません。

 ただし、借金して投資したものが計画通りに収益を生まないというリスクもありますから、大金を投じての設備投資には慎重さも必要です。困るのは、慎重になり過ぎて身動きできなくなることです。

 石橋を叩き過ぎないことです。サラリーマンだって、自宅を購入するのに何千万円もの住宅ローンを借りるのですから。