幹部社員の要件

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 御社では、幹部社員はどのような基準で決められているでしょうか。仕事ができる人、リーダーシップのある人、部下の管理ができる人、年齢上位の人、入社年の古い人……。

 私が幹部社員に求める第一の要件は、「経営者の考えを理解し部下に正確に伝えることのできること」としています。つまり、その人自身が特に立派な考え方を持っている必要はないのです。

 といって、経営者と考え方が全く同じでなければならないわけでもありません。考え方に違いがあってもいいのです。大切なことは経営者の考え方を理解しようとする気があることです。

 中小企業における幹部社員は、部下に経営者の考え方、会社の方向性を正確に伝えることができる人がいいのです。「当社の社長ならこう考えるはずだ」、「当社の社風に照らしたらこうあるべきだ」、そんなことを部下に語ることのできる人がいいのです。

 経営者の思いを理解しない、独自の理論展開をする、無言の抵抗をする……そんな幹部は部下にいい影響を与えません。幹部社員は、間違っても部下の前で社長や会社の非難をしてはならないのです。

 もちろん社長にも間違いや判断ミスはあるでしょう。そのときには、部下に対してそれを言うのではなく、社長に直接モノを申すのがいいのです。

 経営に対していちいち批判する幹部、お手並み拝見とばかりに高見の見物をするような幹部は降格させるべきです。もしその幹部が業務能力の高い社員であるなら、なおのこと責任ある立場から外すのがいいのです。なぜなら、部下に対するマイナスの影響力が強いからです。

 偉そうに言っている私ですが、恥かしながら10年前の大石会計でも、仕事ができる、年齢上位の人、そんな基準で幹部社員を選んでいました。当然上手くいきませんでした。

 幹部たる者は会社の方向性に積極的に関わっていかなくてはなりません。ピーチクパーチク文句や批判ばかり並べる幹部に比べれば、YESマン幹部の方が100倍ありがたいのです。