ワークライフバランス……耳にいい響きです。しかしこれは、誰が言うのかによって意味が違ってくる気がします。入社したばかりの新入社員が言うのと、苦労を経験してきたベテラン社員が言うのとでは訳が違います。
残業がなくて有給休暇を100%取得でき、プライベートを充実させることがワークライフバランスだと思っている若者が少なくありません。仕事と生活の調和がとれることがワークライフバランスです。
年収300万円で昇給なしの会社……そんな会社はブラック企業か否か。先日ネット上で話題になったテーマです。1日8時間働いて残業なし、週休2日で有給休暇は年10日、定期昇給はなく20年間同じ仕事をして給料は上がりません。労基法は問題ありませんしアフターファイブも十分に楽しめるのです。
ガツガツ働くよりもこんな働き方を望む若者もいるらしいのです。これでは4人家族は養えないと思いますが、奥さんと共働きをすれば生活には困ることもありません。しかし、私には信じられません。
仕事ができない人、お客様に喜ばれない人が、どんなに楽しげな生活を送っていたとしても、ワークライフのバランスが取れているとは、私には思えません。
無意味な仕事は少量でも苦痛ですし、有意義な仕事はたとえハードでも苦になりません。ですから、長時間勤務はバランスが悪く、短時間ならバランスがいいとは一概には言えません。
そもそも若き日のワークライフバランスになんの意味があるのでしょうか。高度なスキルを身につけようと思うなら、お客様にご満足いただこうと思うのなら、ある時期は仕事の量をこなすことで質を高める必要があるのです。
ワークライフバランスを考えるのは年齢を重ねてからではないでしょうか。そのためにも若い時のワークライフはアンバランスがいいのです。結果、ある一定の年齢になった時にワークライフバランスがとれるようになるのではないでしょうか。