高齢化が進み人口が減っていくことが確実な日本は、年齢別人口構成は恐ろしく歪んだものになってしまいます。どう考えても、将来の若者たちの経済力だけでお年寄りの面倒をみるなど不可能というものです。
年金分野の改革が議論されていますが、勇気ある政治家が現れ、「今すぐに年金を一律30%カット」と宣言したらどうでしょうか。もちろん、これから年金を受給する我々の世代も同様に将来の受給額は30%カットです。そんなことを言える勇気ある政治家はひとりもいないと思いますが、年金カットは国家財政立て直しのための象徴的な施策とすればいいのです。
900兆円の借金を抱えて破たん状態の国家財政と、同じく破たんしている年金制度を考えると、悠長なことを言っていられない状況であることは中学生でも分かる話です。国家の借金は国民が個人的に借りたものではありませんが、大きな意味では過去における日本人の欲望が生んだ結果なのです。それを責任のない後世の人たちにだけ負担させてはなりません。いい時代を経験してきたいまの年金受給者たちにも応分に負担してもらうのが筋ではないでしょうか。
現実に、お年寄りの多くはお金に困ってはいません。少数の困っているお年寄りについては別途対応したらいいのです。むしろ、いま一番お金に困っているのは現役世代なのです。こんな発言をするとお年寄りに怒られてしまいますが、若い世代には何の責任もないのです。
厳しい国家財政ですので、総論では誰もが賛成するものの、負担が自分の身に降りかかる各論となると反対してしまうのも情けない話です。景気のタイミングを見ながら消費税は増税するべきですし、こども手当に至っては即刻廃止するべきです。
いまの若者たちは、景気のいい時代も知らず、就職環境にも恵まれず、払った年金も元本割れを宣告されているのですから、気の毒なことこの上ありません。そんな気の毒な人たちにまた将来ババを引かせるようでは、我々の世代はいったい何をしていたのかということになります。ツケを次の世代に回し、「もっとも日本をダメにした年代」と未来の日本史の教科書に載りたくないものです。