お金の回収

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 仕事をしたのに代金を貰えない、商品を納品したのに期日になっても売掛金を払ってくれない、 景気が悪くなるとそんな事例が増えてきます。それでは何のために仕事をしたのか分かりません。 お金を払ってくれないのであれば、その会社はお客様でも何でもないのです。

 売る側にありがちなのは、滞った売掛金の入金を期待して、いつまでも延々と取引を続けてしまうことです。 取引をストップしたら、売掛金を支払ってもらえなくなると思ってしまうのです。 そうなってしまうと、どちらの立場が上なのか分からなくなります。

 払う側と受け取る側、どう考えても受け取る側が強いに決まっています。 正当な理由もなく支払いを遅らせる会社に対しては、断固たる態度で臨まなくてはいけません。 お客様第一主義も大切ですが、儲けさせてくれない会社はお客様ではないのです。

 とはいってもこんなご時世ですから、時に良くない相手と取引をしてしまうこともあります。 また、優良な得意先が業績を突然大きく落としてしまうこともあります。 そのためにも、得意先の与信管理は厳密にしなくてはなりません。

 特に支払手形で受け取るようなケースでは、キャッシュフロー上3〜4ヶ月ただ働きをしたことになりますし、 ましてや受け取った手形が不渡りにでもなろうものならすべてが無になってしまいます。

 ですから営業マンや担当者は、得意先の実情の把握に細心の注意を払う必要があります。 例えば、買掛金の〆日支払日を変更していないか、社員にボーナスをどれくらい支給しているか、 給料は遅配していないか、リストラはしていないか、仕入先や下請業者に目立った入れ替わりはないか、 振込指定口座が変わっていないか、リスケをしていないか、 これらは、担当者が真剣にアンテナを張り巡らして情報を集める気でいれば難しいことではありません。

 営業マンは、ただ売っていればいいというものではありません。 仕事で一番大切なことはお金を回収することだと言っても過言ではないのです。 お金のために仕事をするのではないにしても、仕事はお金を生むことができる唯一の行為なのですから。