身だしなみ

LINEで送る

 多くの人は他人から見てどのような印象を持たれるのかを気にします。「わたしは他人の目など気にしない」という人も中にはいるかも知れませんが、そんな人でもお化粧や身に着けるものに一切お構いなしと言う人は少ないのではないでしょうか。

 身だしなみに気を遣う人と遣わない人とで、生き方としてどちらがいいのかはわたしには分りません。しかし少なくともビジネスの場では身だしなみにも気遣いが必要だと考えています。無頓着であって欲しくはありません。

 我われビジネスマンのユニフォームはスーツです。ユニフォームと言っても自分好みにコーディネートが出来るのですからそこには自己主張があります。つまりスーツやネクタイは自分の価値観の表明なのです。高価なモノで身を包む必要はありませんが、着られれば何でもいいという価値観はビジネスマンには禁物です。

 先日行なった採用面接で出会った若者のひとりは、理路整然とした話し方や素晴らしい文章力には頭の良さを感じ、人柄も誠実な好青年でした。しかし残念なことに彼は、姿勢はうつむき加減で自分の身なりに全く気を使っていませんでした。

 どんなに前向きな話もうつむきながら話したのでは相手に伝わりません。初めて出会う身なりが清潔そうでない人からサービスを受けたいと思う人もいません。自分のことさえきちんと出来ない人が、相手に細やかな気遣いなどできないと瞬時に思われてしまうからです。

 出会った人すべてに拒否されるとは言いませんが、多少無愛想でも許される友達同士とは違って、ビジネスの場では最初の印象がよくなければ次はないのです。理解されるまで時間をかける余裕などないのです。

 チャラチャラした軽っぽい服装はいただけませんが、年寄りくさい地味な背広を若者らしいスーツに変えるだけで気分も行動も変わるのではないでしょうか。センスがないのであれば、店員さんにすべてコーディネートしてもらったらいいのです。そうすればきっと世界観まで変わった気になれることでしょう。