この頃は猫も杓子もCS(顧客満足)の向上と言います。お客様の期待値を上回ることでCSは達成されるのですが、お客さまが望むものならどんなことにでも対応するのがいいかと言うと決してそんなことはありません。そんなことをしていたら会社は潰れてしまいます。
あなたのお店が個性的なお店であっても、お客さまの限りない期待に応えようと商品やサービスの幅を広げすぎると、焦点がぼやけたありきたりのお店になってしまうものです。それでは仕事量ばかりが増えて生産性はかえって低下してしまいます。反対に得意な分野に絞り込むことで個性のあるお店になるのです。
デパートのような立地と品揃え、そしてお客様対応で値段はディスカウントストア並みというのはあり得ないのです。お客様の期待通りに品質、コスト、多様性、スピードの4つを同時に追求するビジネスは成り立たちません。
最高の品質を生むようなオペレーションは最低のコストを実現できませんし、お客様の個別のご要望にお応えするためには迅速な対応が難しくなるのです。多くの期待に応えようとすると、社内は単純ではいられなくなります。
そんな社内の複雑化によるコストを削減するためにはアウトソーシングが有効です。最善の方法は製造、マーケティング、販売、運送、総務経理などのうち、自社に強みのない分野は外部に委ねてしまうことです。余さずに儲けようとして、あらゆることに手を広げてしまうから社内は複雑になって余分なコストがかかってしまうのです。無駄なことに振り回されることで、どれだけ社内は疲れ果てていることでしょうか。全部自分でやって儲けようとする位ならいっそのこと自給自足でもしたらいいのです。
理想的には間接部門などないほうがいいのです。本社機能なんて小さければ小さいほどいいのです。本業で収益をあげてそのほかはアウトソーシングできたら最高です。ヒト、モノ、カネの8割はお金を生む自社の強みに投入するのです。