「結果がすべて」とはよく言いますが、これだけ景気が悪いとそんなセリフも聞くことが少なくなりました。そんなセリフを言えるほどの結果を残している会社が減っているのだと思います。
平成になっての長い不況は、わたしたち経営者に多くのことを教えてくれました。当たり前ですが、モノやサービスは簡単には売れないことも分かりました。こんな時代には頑張れば売れるというものでもない気がしてきます。みんなが一所懸命努力を続けているのです。それでも売れないのですから。
そんな中で改めて分かったことは、景気のいい時、業績のいい時にこそ営業をすべし、ということです。好況時は各社ともに忙しいものですから、新規顧客の開拓は疎かになりがちです。そしてなにより、景気がいいと大して営業などしていなくても仕事は転がりこんでくるのです。
しかし、いざ不況になると各社で仕事の取り合いですからそれは激しい営業合戦になります。こうなってくると、好況下の営業がどれだけ簡単だったかを思い知ることになります。不況時には他社と同じことをやっていたのでは勝負になりません。
こんなとき、技術力、企画開発力、営業力、スピード力……なにか武器があると戦いやすいものですが、それがないのもまた中小企業です。武器を持ち合わせていない会社はライバル社との値引き合戦という消耗戦になります。
しかし諦めてはいけません。飛び道具は持っていなくても、特定の地域や特定の年代層、特定のサイズ等々といった小さな領域に限定したらナンバーワンになれるなにか強みがあるのではないでしょうか。不況下でもなにかでナンバーワンになれる会社は残っていきます。ナンバーツーは忘れられてもナンバーワンは記憶に残るからです。
それでもナンバーワンになれるものがないのでしたら、80:20の法則(パレートの法則)にあるようにあなたの業界内で上位20%に入ることです。業界一位になれなくても上位20%でしたら全社一丸となり努力すればどうにかなるものですし、するしかありません。