わたしたちが常識だと思っている経営手法は本当に正しいのでしょうか。以下はある子供服のチェーン店のやり方です。みなさまの会社と比較してみてはいかがですか。
(1)購買意欲をあおる店は作らない
坪当たり売上高は重視せず、通路はベビーカー3〜4台がすれ違える広さを確保。ワゴンもマネキンも置かないため、商品補充作業が楽なうえに見通しが良くなり万引きによる損失も防げる。シンプルなレイアウトにすることで初期投資や運営コストを下げ、200坪の店舗はわずか2人のパート社員のみで運営している。
(2)行列が出来る繁盛店は作らない
育児に追われた顧客は一刻も早く買い物を終わらせたいので、混雑した繁盛店は問題店と位置づける。図らずも人気店となってしまったときは、近隣に新たに出店することで顧客を分散化させて繁盛店を普通の店に変えてしまう。
(3)デザインは脱個性的
ベビー服の場合は1シーズン持てば十分との考えから、クラシック&ベーシックを基本コンセプトとし過剰品質は避けて、その分顧客が買いやすい価格を追及する。
(4)現場の知恵に頼らない
店長は複数店をかけ持ちし、実績は売上額ではなく日々のオペレーションの遂行率で判断する。店長の一番の仕事はパート社員に作業を割り当てることで、パート社員はそれに従い商品の陳列やレジ打ちなどの定型業務を片づけるだけで十分に評価される仕組み。店舗の売り上げが増えないのは「ひとりでに売れるシステム」を作れていない本部に問題があるのであって、根拠があいまいな現場の知恵には頼らない。
(5)借金での出店はいらない
借金をして出店ペースを上げるよりも、財務内容を可能な限り健全化し簡単につぶれない会社を作る。そのためには、出店は基本的に不動産を購入せず店舗を賃借して資金の固定化を防ぐ。
これは日本一の子供服店「西松屋チェーン」が採用しているやり方です。大企業のやり方ですから中小企業に真似できないところもありますが、参考になることもたくさんあるのではないでしょうか。