あなたは、経営者としてのあなたを取り巻く環境に満足していますか。満足できていなかったとしても、ご安心ください。満足できている中小企業経営者は少ないものです。経営者が満足するのは、悟ったときか諦めたときです。社員にとっては、社長に悟られても諦められても困った問題です。
わたし自身も現在の環境に満足していませんが、納得はしています。自分がたどってきた道を振り返ると、どう考えても納得するしかありません。これまで過ごした数十年の集大成が、いま現在の環境そのものですから。
したがってこれから先の環境も、何もしないでいて勝手に変わることはありません。良くも悪くも自分の判断と行動の積み重ねでしか環境は変えられないのです。環境を変えるべく、自分も楽しみながら変化しようとしている経営者に出会うと、わたしは嬉しくなってしまいます。
わたしは社員にもそんな考え方を押しつけますから変化を嫌う社員にとっては迷惑なはなしです。しかし、そんなことを気にしていたら会社経営などできません。社員にも納得して共感して同じ方向を目指し、共に成長してもらうしかありません。
中小企業の経営者にとって社員は弟妹や子供のようなものです。わが子の成長を願えば口やかましく指導するのはごく当然のことです。社員をただ優しく包み込む懐の広い経営者は一見すると理想のようですが、現実にはそれではうまくいきません。
社員の成長は会社のためにもなりますが、なによりもこれからの社員自身の人生のためなのです。いま勤めている会社が10年後にも存在すると誰が保証してくれるでしょうか。
会社を辞めても身に付いた習慣や考え方は簡単に変えられません。だからこそ、社員にはどこに行っても通用する人材になってほしいと心から願っています。
道が開けるかどうかは転職することでも起業することでもありません。それ以前にもっと大切なことがあり、その大切なものを身につけたビジネスマンにのみ道が開けるのです。