お正月っていいですね。毎年のこととはいえ、心を新たにしてもらえるのがありがたいです。いつでも自分で勝手に節目を作ったらいいとは思いますが、やはり年が変わることでなにか心に強く誓いたくなります。昨年を振り返ると、わたしにとっては悪くない一年でしたが、自分自身の環境を大きく変えるという意味では、今年を昨年の延長の年にしたいとは思えません。
わたしを取り巻いている現在の個人的な環境は、決して偶然に作られたものではありません。すべては、過去におけるわたしの行動が結果となって表われているに過ぎません。そして、その行動にはわたしの信念が強く影響しています。ちなみに、信念とは経験や証拠によって固く信じて動かなくなった心のことです。つまり、わたしの現在の環境は、過去のわたしの経験に基づいた信念によって導かれたものなのです。(『わたし』を『あなた』に読み替えてください)
ここで唐突ですが、あなたは『お金』と聞いて瞬間的にどんな感情を持たれますか。新年早々お金のはなしかと思った方は、なぜそう思ったのかもお考えください。
成功、努力、利益、結果、運、自由、大切、勲章、チャンス、人脈、幸福、裕福、安心、収入、貯金、旅行、宝石、豪邸、贅沢、天国、希望、夢、誠実、正直、善人、価値、目的、究極、見栄、質素、倹約、道具、給料、両親、子供、強欲、失敗、要領、賢い、ギャンブル、怖い、汚い、夫婦喧嘩、貧乏、苦労、労働、借金、出費、裏切り、詐欺、悪人、盗難、争い、悩み、地獄、諸悪の根源、へそくり、小遣い、政治家、成り上がり、うそつき……。
どうですか、多くの人がお金についてプラスとマイナスの相反する感情をお持ちではありませんか。どのような感情になるかは、それぞれの人の信念次第なのです。ひとつのテーマに関して相反する感情を持っていると、脳は混乱してしまいます。脳が混乱すると断固とした行動が取れませんから、それは結果としての環境にも表れることになります。
メンタルトレーナーの西田文郎氏は「貧乏は脳の病気である」と言います。お金持ちになりたいと望んでいながらも、脳の条件付けに間違いがあるため、自分の意思に反して貧乏の方へ進んでいくというのです。人生では自分が注目したものが自然と引き寄せられますから、経験したくないこと、避けたいことばかり考えていると却ってそれを引き寄せてしまうのです。脳の条件付けさえ変えれば、努力しなくても貧乏から脱出できるというのですから、是非とも実践してみたいものです。
これは極端な例ですが、世界には人の死さえ悲しまずに祝福するという、日本人には想像も出来ない文化もあると聞きます。要するに、あることに対してどのような感情になるのかは、その人の『信念に基づいた考え方』、つまり思い込みに影響されるのであって、『事実』に影響されるのではないということなのです。
思い込みひとつで結果が違ってくるのですから、思い込みそのものの影響を無視することは出来ません。お金と聞いてワクワクするというのには違和感を覚えるかもしれませんが、少なくともマイナスイメージがあるようでは経済的な成功は近付いてこないということなのでしょう。
わたしたちは、よい結果に狙いを定めながらも、その結果に調和しない思いをめぐらすことで、その達成を自ら妨害し続ける傾向にある……ジェームズ・アレン(英国の哲学者)