先週は「外見」がテーマでしたが、ビジネスマンにとっては、人にどう思われるかが最も大切なことのひとつです。日本人の美徳からすると『他人の目など気にするな』となるのですが、成功は他人にどのように評価されるのかがすべてと言っても過言ではありません。
もちろん、ものごとは本質が一番大切なのはいうまでもありません。しかし優秀であっても評価されずに、また努力が認められないまま、埋もれてしまう不幸な人はたくさんいるのです。
つまり、実際に優秀であることよりも、優秀な人だと思われること。実際に努力家であるよりも、努力家だと思われること。実際に誠実であるよりも、誠実な人だと思われることの方が大切だと言うのはメンタルトレーナーの西田文郎氏です。
どんなに能力があったとしても、努力家だったとしても、誠実な人であったとしても、それを誰にも認められないのでしたら、それはないのと同じことです。要するに、見た目や評判を気にすることは決して悪いことではないということなのです。
西田氏は「人は『こう見られたい』という理想の自分像をデザインし、それを演じ続けることにより、いつしかそれが脳に条件付けされて、イメージの自分が本当の自分になる」と言います。
たとえば、極端なはなしですが、あなたの職場に気に入らない上司がいたとします。そんな上司に対しても、腹の底ではどのように思っていたとしても、毎日笑顔で感謝と尊敬の意を表すのです。意に反していようと構いませんから、これを毎日続けるだけでいいのです。自分を押し殺して毎日演じ続けることで、自分の内面に変化が起きて、本当に感謝と尊敬の気持ちになるというのです。
自分の内面はすぐには変えられないものですが、形だけでしたらどうにかなりそうな気がします。それは自分次第なのですから、決心さえしたら今すぐに始められるのです。
そしてその効果のさらに興味深いところは、自分が変わるだけではなくて、相手をも変えてしまうところです。あなたの変化に対して、相手にも必ず変化が生じます。相手がどのように反応してこようとも、あなたは毎日感謝の気持ちを言葉と態度で示し続けるだけです。それが両者をWIN-WINの関係にしてくれるのだというのですから、お試しあれ。