五日市剛さんの講演に行ってきました。『ツキを呼ぶ魔法の言葉』の五日市さんです。書店で売っていないのに口コミだけで150万部も売れたというのですから、やはりなにかあるに違いありません。2、3年前にこの本を紹介されたわたしはとても感動し、数百冊を大人買いして出会った人に差し上げてきました。
五日市剛さんはいいことがあったら「感謝します」、嫌なことがあったら「ありがとう」と口に出しなさいと言われます。たとえ親が亡くなっても「ありがとう」と、自動車をぶつけられても「バカヤロー」ではなくて「アリガトー」ですから簡単なことではありません。
しかし、「ありがとう」には悪いことを断ち切る作用があるそうです。すごくムカついた時にも「ありがとう」と言うと不思議と、確かにムカつきが治まり「まあいいか」と思えるようになります。そのためには心の中で言うだけではいけません、小さな声でもいいから口に出すことが重要なのだそうです
心理学者の小林正観さんは『100%幸せな1%の人々』に、「ありがとう」を合計5万回言うことで自分にとって嬉しい奇跡が起きはじめると書かれています。はじめのうちは「ありがとう」に心が込もっていなくてもいいそうです。つまり口先だけでもいいのです。ただし途中で不平不満・愚痴・泣き言・悪口・文句を言ったら、ありがとうカウンターはリセットされるそうですからこれも簡単なことではありません。もしも嫌なことを言ったとしても10秒以内に取り消せばリセットされないそうですからご安心ください。不平不満や悪口を言ってしまったことよりも、言ったことに気づかないことが問題なのだそうです。
五木寛之さんは『人間の関係』で、かつてご自身が罹った3回の鬱状態をどうやって乗り越えたかを書いておられます。1回目は「歓びノート」をつけ、一日のうち何かひとつでも「うれしかった」ことを書き続けることで克服したそうです。2回目の鬱は「歓びノート」をつけるもうまくいかず、反対に「悲しみノート」に一日のうち最も悲しかったことを書いたことで開放されたようです。そして3度目の鬱には「あんがとノート」で毎日ありがたいと感じたことを書き続けることで回復し、その後は鬱の訪れはないとのことです。
稲盛和夫さんも船井幸雄さんも「感謝」を強調されています。このように、成功している多くの人は感謝の心がとても大切だと言われます。
人はどんなに頑張ってみても、自分一人ではたいしたことは成せません。したがって、ビジネスにおいて仕事のできる人は、多くの人との係わりの中で人間関係を上手く築いている人でもあります。そんな良好な人間関係は感謝の心を抜きにしては考えられないのです。
それにしても「ありがとう」を言うだけで人生が好転するのだとしたら、ほかの苦労や努力に比べたらずいぶん簡単なことではないでしょうか。ここはひとつ心を決めて、やってみるだけの価値はありそうです。