「景気が悪いから」、「お金がないから」、「担保がないから」、「学歴がないから」、「社員が悪いから」、「立地が悪いから」、出来ない理由や、上手くいかない理由を語り始めたらキリがありませんが、そんな弱音を吐く経営者の多いことにあきれてしまいます。
野口英世は、貧農に生まれ囲炉裏に落ちて大火傷を負っても病院にもかかることが出来なかったからこそ、医学の道を志し黄熱病の研究で世界の医学に大きく貢献しました。トーマス・エジソンは、学校に行かずに母親の教育を受けたからこそ、自由な発想を身に付けることが出来ました。レベルが違うと言えばそれまでですが、成功する人はこんなふうに逆境をもチャンスに変えてしまうのです。
他人から見たらマイナス要因であるようなことも、成功する人にとっては『成功に導く要因』のひとつになってしまうのです。プラス思考が成功者の共通点と言われますが、プラス思考とは自分自身に対してツキを感じられることでもあります。わたしはかつて、ツイていないと自己認識している人で成功している人に出会ったことはありません。
(1)過去の自分にはツキがあった
(2)現在の自分にもツキがある
(3)将来の自分にもツキがあるはずだ
自分自身に対してこんなふうにツキを感じられることが成功するために必要ではありますが、では過去にツキのなかった人が成功できないかというと決してそんなことはありません。ただし、そんな人は早く「自分はツイているんだ」と思えるようにならなくては成功など出来ません。
それでは、自分にツキを呼び込むためにはどのようにしたらよいのでしょうか。一番簡単な方法は、まずはツキを感じる人とお付き合いをすることです。近くにいるだけでもいいのです。強いツキを持っている人からは学ぶことが多い筈です。ツキは偶然ではありませんから、自分との発想や心構え、習慣の違いなど知識やスキル以上に内側の部分でなにか感じるものがあるのではないでしょうか。
また、ツキのない人は、端から見てもなるほどと思えるほど考え方が後ろ向きな場合が多いですから、努力しても実らないことも多いものです。成功を目指したい人であれば、そんなツキのない人の考え方や空気感を違和感なく受け入れられるようでは困ってしまいます。極端な言い方になりますが、貧乏風邪に感染しないように、ツキのない人には近付かないことも必要なのかもしれません。わたしには、どう考えてもツキがない人の成功をイメージすることが出来ません。
「家が貧乏だったから、丁稚奉公に出て仕事を覚えた。学歴がないから人の話を良く聞くことができた。身体が弱かったから、他の人を信頼して任せることが出来た。お金がなかったからひたすら働いた」……故 松下幸之助氏