毎日が昨日の続きで、毎年が去年の続きの経営でしたら、それは成り行きの経営と言えます。そんな会社でしたら、なにもあなたが経営しなければならない理由などありません。経営者は社員の管理のために存在するのではありません。経営における意思決定のために存在するのです。
会社を取り巻く事業環境の変化は年々スピードを上げ、厳しさは増すばかりです。そして、伸びている会社は常に変化を遂げています。相も変わらず3年前と同じことをやっているようでは業界の置いてきぼりになってしまいます。さて、経営における判断の多くは変化のための意思決定なのですが、果たしてあなたは意思決定をしているのでしょうか。
スピードは顧客サービスの向上のためにはとても大切な要素のひとつです。このスピードを何より大切にしている経営者は少なくありません。意思決定や実行、改善には当然スピードが求められてきます。何かのブームがあったとしても、そのブームに気付いてから手がけたのでは遅すぎます。ブームの絶頂は衰退の始まりでもありますから、経営者は常に市場や業界の動向をはじめとした環境の変化には敏感であろうと心がけてもらいたいものです。
経営上の判断については、多少は周囲の意見を求めるにしても、最後は社長ひとりでとっとと決めてしまっていいのです。中小企業においては、一つの結論を出すのにも関係者に根回しを行い、慎重に事を進めることが必要なケースはほとんどありません。もちろんスピードだけではなくタイミングも必要ではありますが、多くの場合は慎重で手堅い判断よりも迅速な判断が望ましいのです。
素早い経営判断は、たとえそれが間違った判断であったとしても、間違ったが故にその実施結果は原因を教えてくれますから、その対応が迅速でありさえすれば軌道修正は可能です。なによりも悪いことは社長が何も判断しないことなのです。社長の意思決定なくして、企業内部からの自然発生的な好ましい変化は起こらないのですから。