お客様というのは、こちらが何もしないでいると自然に減ってしまいます。まだまだ地域に認知されていないあなたのお店を、より多くの人に知ってもらい来店を促すように積極的に市場に呼びかけなくてはいけません。この呼びかけがマーケッティング活動というものです。
しかし、お客様に来店いただくことはマーケティングの目的ではありますが、その来店が売上につながらないことには企業活動としての意味はありません。新規客を一所懸命に呼び込んでも、ガッカリさせるようなサービスしか提供出来ないようなお店も実際に少なくありません。初めてのお客様が二度目、三度目の来店につながらないようでは店内サービスに問題があるのです。それではかえって悪い評判を広めることになりますから、むしろ呼び込みなどしない方がまだマシというものです。
新規の集客力があり、かつリピート率が高いお店は間違いなく地域ナンバーワンになれます。しかしそのどちらかが低いから苦戦してしまうのです。特に最悪なのはリピート率が低いザル状態のお店で、それが50%以下のお店は、半分以上のお客様にソッポを向かれているのですから、そもそも商売をする資格さえないと言っても過言ではないでしょう。安定した経営のためにはリピート率の向上は絶対条件であることを忘れてはなりません。
初めて来店されたお客様には、『絶対に次も当店を利用していただく』との強い思いで接客して欲しいのですが、業績不振店では、お客様に直接接する末端の社員やアルバイトで残念な対応をする人が目につきます。これは経営者のサービスに対する思いの水準が社員に表れた結果にほかありませんから、社員ばかりを責めることはできません。
新規顧客の獲得は既存客の維持に比べて数倍のコストがかかるといわれておりますから、いま目の前のお客様をいかに本気で大切にしなくてはいけないかがわかるでしょう。大事なことは、お客様に生涯でどれだけ当店でお金を使っていただけるかなのです。一度足を運んでくださったお客様を、期待を超えるサービスでリピーターに、さらに感動を与えるサービスでロイヤルカスタマーに育てられるかが企業運営の鍵なのです。そんなサービスの提供は自然発生的に出てくることはなく、経営者の本気からしか生まれることはありません。