グループリーダー

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 グループを作ると、当然ながらグループリーダーが必要となります。みなさまは、社員の中からリーダーを選ぶとしたらどのような人を選ぶでしょうか。

 「年齢が上の人」「勤続年数や経験の長い人」「企画力がある人」「交渉力のある人」「知識の豊富な人」「誰よりも多く売ってくる人」「仕事が早い人」「人柄がいい人」「面倒見がいい人」「優しい人」……いかがですか。これらは、どれも十分条件ではありません。年齢や人柄、仕事の出来でリーダーを決めることができるのでしたら、世の中はリーダーだらけになってしまいます。したがって、企業におけるリーダーには次の三つの要件が求められます。

 まず一つ目は、リーダーは経営者と同じ方向を見ていられる人でなければなりません。仮に、社内にリーダーにしてはいけない人がいるとしたら、経営者と考え方がまったく合わない人です。このような人は絶対にリーダーとしてはあり得ません。そのためにも経営者は社員に会社のあり方や目指すべき方向性を明確に示すことが必要であります。

 二つ目は、周りを活気づけ、グループの構成員を巻き込んだところで生産性を高めることの出来る人物であることです。つまり、リーダーは個人的にどれだけ仕事が出来るかはあまり重要ではありません。あくまで、組織として生産性を上げることが出来るかどうかが大切なのです。もっとも、現実にはリーダーの多くは仕事が出来る人ですが、仕事ができてもリーダーに向いていない人も少なくありません。

 そして三つ目は、リーダーは部下に好かれようとしないことです。これは経営者も同じですが、上司が部下に好かれようとしてとる判断は、会社にとって好ましくないことが少なくありません。部下にとって理想的と思える経営を行なっていれば間違いなく会社は潰れてしまいます。嘘だとお思いでしたら、一年間部下に好きなように運営させてみたら分かるでしょう。つまり、目指すべきは尊敬されるリーダーであり、好かれるリーダーを目指す必要はないのです。

 それでは、営業力抜群あるいは卓越した技術力はあるけれども、リーダーの資質がない社員はどのように処遇したらいいのでしょうか。そのような社員には地位で報いることはできませんが、会社には立派に貢献しているのですから給料で報いるしかありません。

 『功ある者がおれば禄(給料)を与えて報いるがよい。間違っても地位を与えてはならない。真に能がある者がおれば、その人物にこそ地位を与えるがよい』と家康は言ったそうです。しかし、能のある者に禄を与え、功のあった者には地位を与える、そのような間違った人事は往々にしてありがちです。リーダー選任の際は、よく注意しなくてはいけません。