心を病むサラリーマン

LINEで送る

20170116

 クレイジーキャッツは「サラリーマンは気楽な稼業ときたもんだ」と歌いましたが、この頃ではサラリーマンのゆとりは本当に減ってしまいました。

 私が若い頃は、喫茶店で油を売る営業マンが多かったものです。いったん会社を出たらどこで何をしているのか分かりませんでした。褒められた話ではありませんが、結果さえ残していたらとやかく言われない管理の甘い時代でした。

 昭和の終わりにポケベルが世に出て以来、携帯、スマホ、GPS、どこで何をやっているのか会社ですべて管理されるようになりました。私はこれが心を病む社員が増えた要因のひとつだと思っています。

 さらにはお客様からも「着信履歴を見ても電話がこない」「メールに直ぐ返信がない」とクレームが来る時代です。

 ビジネスマン研修では「メールには直ぐに返信」「名刺交換して帰ったら直ぐにお礼メール」と勧められます。直ぐに対応がいいのは分かりますが、少し窮屈ではありませんか。

 会計事務所スタッフの携帯にはしばしば夜間や土日に電話があります。パートさんにさえLINEやFacebookで週末に問い合わせや確認があります。私の経験では、夜遅くかかってきた電話で内容が緊急事態ということはほぼありません。でもみんなすぐに対応して欲しいのですね。

 世の中が便利になり過ぎました。24時間営業のスーパー、知りたい情報はインターネットでいつでも入手可能です。便利になり過ぎてみんな我慢が足りなくなりました。

 そして、ゆとりもなくなりました。ゆとりを取り戻すにはこれ以上の便利さを求めないほうがいいのかもしれません。

 ところで、このごろは「油を売る」の意味が分らない若者がいます。使われなくなったのですかね。先日、美しい女性を形容する「立てば芍薬、座れば牡丹、歩く姿は○○」に続く言葉は、と若い人に聞いたところ「男爵!」と返って きました。ネタとしては可笑しいのですがちょっと・・・・・・。