私は自分の親のことを悪く言う人が好きではありません。故郷を、母校を、会社を、日本を悪く言う人も好きではありません。
私がいまここに存在するのは、両親がいて、河口湖で育ち、母校で学び多くの仲間に出会い、初めての職場でビジネスの基本を教えていただき、そして何よりも日本という世界に誇れる国で生まれたからです。
親を愛せない、家庭を愛せない、母校を愛せない、職場を愛せない、地域を愛せない、祖国を愛せない・・・そんな人が他人を愛せるとは思えません。祖国を愛せない人には他国も愛せないでしょう。
いまの自分を取り巻く環境の否定は自分自身のアイデンティティの否定です。環境に文句を言っても何も変わりません。自分自身がどれだけ恵まれた存在なのか自覚できていないのです。
この地上には70億を超える人々が暮らします。自分自身は70億分の1の存在でしかありません。もしも自分の環境に納得ができていないのだとしたら、もう一度70億本のアミダくじを引いて生まれ直したらいいのです。そんな勇気はあるでしょうか。
日本人に生まれる確率は60分の1です。欧米先進国は10分の1、アフリカは6分の1、中国人かインド人に生まれる確率は4分の1です。そう考えると今の自分の環境がどれだけ恵まれているか分ります。
魚に水が見えないように、鳥に空気が見えないように、私たちには日本も自分の環境も見えていないのです。
私には、もう一度アミダクジを引きなおす勇気はありません。改めて自分の環境には感謝です。満たされていないことがあるとしたら、それは自分自身の足りなさに原因があるのだと思います。『吾唯足るを知る』ですね。