楽観と悲観

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 ものごとは楽観する方がいいか、悲観する方がいいか。なにごとも楽観の方がいいに決まっています。

 しかし本当の楽観は悲観があってはじめて成り立ちます。楽観ばかりではただのノー天気の無責任男になってしまいます。

 だから楽観的過ぎる経営者には危うさを感じます。また悲観的過ぎる人はそもそも経営者に向きません。なにごとも偏り過ぎは良くありませんね。

 稲盛和夫さんは経営を「楽観的に構想して、悲観的に計画し、楽観的に実行する」と言っております。なるほどです。

 楽観と似たような言葉で「プラス思考」がありますが、「プラス思考」と「楽観的」とでは微妙に意味が異なります。

 プラス思考はものごとを肯定的に解釈する考え方です。楽観的とは、ものごとを上手くいくものと気楽に考えて心配しないことです。つまり「何とかなるさ」と深く考えないことが楽観です。

 プラス思考がいいと言われても簡単になれません。そこには心の強さも必要です。しかし心配ごとがあっても、考えること自体を止めることでしたら心が弱くても出来そうです。

 そもそもこれまでの人生で、夜も眠れないくらい心配していたことが現実に起こってしまったという経験はあったでしょうか。案外最悪の事態になどならないものです。それなのに未だ見ぬ将来を心配ばかりする。これは時間の無駄です。

 どうしても心配や不安から逃れられないときは、ランニングがおススメです。走っている間は心配ごとやストレスから開放されます。ほんの一時でもストレスを分断することに意味があります。

 思考も現実もプラスだけでも、またマイナスだけでも続きません。ものごとが続いていくためには陰と陽の両方が必要なのです。二つは対立するのではなく共生の関係にあり、二つに見えていても実は一つにつながっているのです。楽観と悲観は二つでワンセットなのです。