上手くいっている経営者の言葉って影響力があります。多少おかしなことを言ったとしても、実績のある人の言葉には重みがあるのです。
実績を残していることで、実力もさることながら、人格までも優れたものに見えてくるから不思議ですね。
ところが、ひとたび経営に躓いて上手くいかなくなると、以前と同じことを言っても説得力がなくなるからこれまた不思議なものです。
人間の本質は平時には分からないものです。困難に出会った時、イザという時にこそその人間の本当の価値や信念の堅固さが分かります。
かつての雪印社長の「寝てないんだよ」発言のように、追い詰められた経営トップや政治家が、逆ギレやみっともない言動をしてしまう場面が度々メディアに流れます。
私がその立場だったらと考えると、少しビビってしまうので偉そうに言えませんが、日ごろから危機に直面したときのイメージは経営者には必要かもしれません。
そもそもが経営はリスクとの戦いです。困難の連続です。危機に直面したとき、トップがどのような対応をするのかを社員は興味深く見ているのです。
そう言えば以前、プロのカメラマンに社内の写真を撮ってもらったときに、念のためと私の謝罪用の写真を勧められ撮ったのを思い出しました。神妙な顔で撮ったその画像が永久に使われないことを願いたいものです。
『疾風に勁草を知り、厳霜に貞木を識る』後漢書:王覇伝
(激しい烈風が吹くと、弱い草は倒れて強い草だけが残り、厳しい霜が降りると、その寒さに耐えられる木だけが枯れずに残るのです)