いいと思ったから入学したのにあんなことになってしまった。日大のことです。学生たちは気の毒です。
しかし、これは程度の違いはあれど会社にもありがちです。誰もがはじめはいい会社だと思うから入社するのです。
はじめのイメージと現実とがかけ離れると、誰だってやる気は失せます。往々にして期待を裏切るのは社員の側ではなく会社や上司、先輩たちです。
求職者は会社の文化や情報を求人広告、ホームページ、採用面接等から感じ取ります。その事前情報と入社後の実感との差はストレスになり、乖離が大きいと社員は辞めてしまいます。入社してみたら意外にいい会社だったということは少ないものです。
ここ数年、大石会計を気に入って入社を希望される方が増えてきました。新卒者向け会社説明会でも、かつてとは傾向がまったく違います。ありがたいことです。
そこで私が一番気を使うところは、入社してくれた人の事前期待を裏切らないようにすることです。ホームページや私自身が語っていることと現実が大きく違ったらいけません。
職場ですから仕事そのものは厳しくて当たり前です。社員が厳しさで辞めるのでしたら仕方がありません。むしろ辞めてもらった方がいいのです。
しかし職場での派閥や嫌がらせなど、仕事とは直接関係がない人間関係の揉めごとで辞められるのは私が一番望まないパターンです。ですから、これらを積極的にやった社員には辞めてもらうと、採用面接で全員に伝えてあります。意地悪な人は社内にいて欲しくないのです。
会社の文化は社長次第です。社長の人生観は必ず企業文化に表れます。社長が誠実なら誠実な会社に、社長が明るければ明るい会社に、社長がズルければズルい会社になります。
社員がダメだから会社が悪くなるなんてありません。会社が悪くなるのは社長がダメだからなのです。