佐々木
ある女性タレントがブログや動画を使用して俳優である元夫をそれは凄まじく中傷したため、名誉毀損で刑事告訴されていましたが女性が深い反省の意を示したため、元夫は今回に限りこの女性を宥恕すると発表していました。
耳慣れないこの「宥恕(ゆうじょ・寛大な心で罪を許すこと) する」という言葉を聞く前の晩に、弊所で毎月開催している論語教室において「恕」という言葉が出てくる一節を習いましたので大変興味深く思いました。
「恕」については、「論語」衛霊公第十五において下記の通りです。
子貢問ひて曰く、
「一言(いちげん)にして以て終身之を行ふ可き者有りや」子曰く、
「其れ恕か。己の欲せざる所は、人に施すこと勿れ」【口語訳】
子貢がたずねて言った、
「ただひとことで、一生行ってゆくに値することばがありましょうか」と子曰く、
「それはまず恕(すなわち思いやりの心)だろうな。(恕というのは)自分が(人から)されたくないことは、人にもしてはならない(ということだよ)」と
上記の通り孔子先生は、人生で一番大切なこととは「恕(じょ)=思いやり」と説いておられます。
この芸能人夫婦が何故このような終焉を迎えたのかは然しもの孔子先生も分からないでしょうが、健やかなるときも病めるときも「恕」を実践していかなければならないと切に思いました。