「社長に夢があるのと同じように社員にも夢があるのです」…私はよく社長方に言っています。
しかし正直に言うと、この頃はそのように思えない場面によく出会います。夢なんて持っていない若者が多い気がします。むしろ夢を持った若者に合うことが稀です。
「あなたにとって理想の会社は?」、と若者に聞くと、「早く帰られて、自分の時間が持てる会社がいいですね」と返ってくる始末です。なんて欲求水準が低いのでしょうか。
汗を流すことなく手に出来るものが夢だと思っているのでしょうね。まあ確かにそれは本物の夢かもしれません。目覚めた時には何も残っていないのですから。
学生時代には学校、塾、スポーツ、習い事……どんなに厳しく指導されても、案外踏ん張って逃げ出さなかったのではないですか。生徒は学校や塾にとってはお客さんですから、嫌なら辞めることもできたのです。
それなのに文句も言わずに、耐えて頑張ってきたのです。何のためにかって、学生時代はいつか充実した本番を迎えるためのリハーサルだと分かっているからです。
それが、会社に入って少しきつかったり、残業になったりすると、すぐに不満や愚痴をこぼすのも最近の若者の傾向です。
お金を払っているときには文句も言わずに耐えてきたのに、お金をもらうようになった途端に文句や権利を主張するようになるから不思議ですね。まだ何にも役に立っていないのにです。これって反対ですよね。どうしてそうなるのでしょうか。
会社に入ってもしばらくはリハーサルなのです。本番はもう少し先にあるのですが、まだ何も出来ていないうちに本番だと勘違いしてしまうのでしょうね。
仕事は効率よく終わらせて、余った時間は自分自身に投資するのがいいのです。ゆとりのある人生の後半を夢見て、若い時代を過ごして欲しいものです。