深く生きる

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『我々の最大の使命は人を大切にする感動経営企業を広めることです』・・・・・・大石会計の経営理念の一番目です。

 人を大切にするとは、自分が大切にされるということではありません。あくまで人を大切にするのです。隣人の苦しさに思いを馳せることこそが人を大切にすることです。

 楽しくも苦しくもある私たちの一生は、おおよそ80~90年です。決してやり直すことはできません。この限られた人生をいかに深く生きるかは人生のテーマです。

 人生を1日に例えると、今年還暦を迎える私は夕暮れ時の午後6時というところです。残りの人生をいかに深く生きるかは私にとっても最大の課題です。還暦を迎えても悟りには遠く及ばず、悩んだり苦しんだりの毎日です。

 人生を深く生きるというのは、この苦悩のすべてを避けて通るのではなく、しっかり向き合うことだと言うのは森信三さんです。

 いま味わっている苦しみは自分一人だけが味わうのではなく、多くの人が等しく経験するものです。それが分かり、他人の苦しみにも思いを馳せるようになることが人生を深く生きることだと言うのです。

 一方、人生を浅く生きるというのは、自分だけが苦しんでいると思い、人を恨んだり憎んだりし、人生を荒んだものにしてしまうことです。

 苦しんでいるのは自分一人ではないと考えると、なんだか勇気が涌きます。人生を振り返ったとき、かつて眠れないほど悩んだことが最悪の事態となったことはないはずです。明けない夜はありませんね。