私は50歳からマラソンを走りはじめた還暦ランナーです。もう20回くらいフルマラソンを完走していますが、本当はあまり好きではありません。だって苦しいですもの。
人から、「なぜ走るの?」と聞かれます。目的はいくつかあります。ひとつは、「大石はやる時にはやるな」と社員に思われたいからです。誰も知らない若いころの仕事やスポーツの自慢話をしたところで説得力はありません。もうひとつは、健康寿命を伸ばしたいからです。目指すは、家族に迷惑かけないピンピンコロリの生涯です。
マラソンもスポーツですから、根性だけではどうにもなりません。結果を出そうと思ったら、それなりのトレーニングが必要です。
せっかちな私は、練習で10㎞走ろうと思うと、早く走り終えようとついつい頑張って走ってしまいます。達成感はありますが、辛さに負けて翌日は走る気になれません。
ある時気づいたのですが、目標を距離ではなく1時間走にするとバランスのいいペースで走ることができました。達成感はないのですが、それなら明朝も走る気になります。
これは人生にも通じる気がします。目標達成のため死力を尽くして頑張る人もいれば、80年の人生を逆算してバランスよく生きる人もいます。どちらがいいとかいう問題ではなく、人生観なので人によって違いがあってもいいのです。自分の目的、目標がはっきりしていれば迷いのない人生になります。
それにしても、人生の目的について語る人は時々いますが、これまで誰からも納得のいく説明をされたことがありません。皆さんは言語化できますか、あなたの生きる目的を。