皆さまの周りを見まわして、上手くいっている経営者に共通するものって何かありますか。
ハッキリした共通点なんて見えてこないですよね。これさえあったら成功間違いなしという鉄板のノウハウがあるといいのですが、そんな簡単なものはありません。
反対に、どうしてこの人が成功するの……っていう人が時々いるので訳が分からなくなります。山の登り方にはいくつものルートがあるということです。
その一方、上手くいかなかった人の原因は大体誰にでも分かるものです。成功の要因は分かり辛くても、失敗の原因は案外分りやすいのです。
プロ野球の野村克也(元)監督が、「勝ちに不思議な勝ちあり、負けに不思議な負けなし」と言いました。勝負ではたまたま勝つことはあっても、負ける人は負けるべくして負け、そこには負けるなりの原因があるということです。
勉強やスポーツでいい結果を出す人は、能力×努力が一定の水準に達しているのです。結果を残せなかった人は、そのどちらかが足りなかったのです。運を口にする人もいますが、運を含めて実力なのです。
いま大石会計では来春卒業の大学生の採用活動を行っていますが、こちらが求めるものの一つに『なにかをやり抜いた経験』という項目があります。
辛抱強くやり抜いた実績がある人には、社会に出てからの可能性を感じます。自分に負けずに努力を続ける習慣が身についているからです。
過去に同じ結果を残している努力型と天才型の二人がいるとしたら、将来の困難な仕事に対しては努力型の方が堅い結果を出してくれそうな気がします。
その意味では、「彼はやれば出来るんだけどね」なんてのはかなり低い評価ということになります。マイナスの習慣を変えない限りいい結果は期待できないからです。私は、努力を重ねても結果を出せない社会人には出会ったことがありません。
会社が求める人材はホームランバッターばかりではありません。むしろ送りバントをしっかりやってくれる社員の存在がとてもありがたいのです。