言葉は言霊といいます。どんな組織においても、リーダーの発する言葉はとても重く、ましてや国家首脳の言葉には深いメッセージ性があります。次は、いま新型コロナウィルスと戦う各国首脳の心に沁みるメッセージです。
メルケル首相(女性)/ドイツ
旧東ドイツで育った経験から、「移動の自由を苦労して勝ち取った私のような人間にとって、移動制限や商店閉鎖という措置は絶対に必要とされる場合にのみ正当化されるものです。第2次世界大戦以来、わが国にこれほどまでに連帯を求められる試練はありませんでした。状況を深刻に受け止めてほしいのです。国民生活に影響を与える厳しい措置は、生命を守るため、今は必要なことなのです」
マクロン首相/フランス
「私たちは戦争の最中にあります。目に見えない敵が勢力を伸ばしており、皆で立ち上がる必要があります。私たちは戦争の最中にあるのです」「私が国民にお願いしている努力はかつてないものだが、皆さんの責任感と連帯に訴えたいのです」
トルドー首相/カナダ
子供たちに向けて「君たちの遊び場や学校は閉ざされ、我慢をさせてしまっていますね。春休みもみんなが想像していたものとは違っているでしょう。家の外で何が起きているのか、未来に何が待ち受けているのか、不安な気持ちもあるでしょう。でも、私たちは自分のためではなく、お爺さんやお婆さん、お医者さんや看護師さんのためにもこの状況と戦わないといけません。君たちの協力が必要です。お父さんやお母さんが家で仕事をすることに力を貸してくれて、科学の力を信じてくれてありがとう。君たちにとても感謝しています」
ジェイコブス首相(女性)/オランダ領シント・マールテン
「動くことをやめてください。簡単なことです。動くことをやめてください。もし、家に好みのパンがなかったら、クラッカーを食べてください。シリアル、オートミール、イワシの缶詰を食べてください。皆さんの家庭には備蓄している2週間分の食料があるはずです。『ハリケーン対策のため災害用キットを準備しろ』と言ってあったはずです」
ジョンソン首相/イギリス
「今夜から国民に『家にいなさい』という指示を出さねばなりません。みんなでウィルスを叩きのめそう。家にいて命を救ってください」
日本の安倍晋三首相からは、この国難においても強い信念も心に沁みるメッセージも伝わってきません。意識は党内調整と業界団体の顔色に向けられており、国民に対する慈しみの言葉すら聞こえてきません。
非常時に政権の支持率が伸びないのは、歴史的にみて極めて異例なことだそうですが、安倍首相はG7で唯一支持率が下がっています。私は安倍首相の支持派でしたが、この数か月のリーダーシップのなさを見るにつけ近頃は残念な気持ちになっています。リーダーから構成員の心が離れたら終わりの時です。
これを他山の石とせず、経営者として学ばないといけません。ああ、今日も反省です…。