あいさつ

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 朝、出社すると私のデスクには退職届の山……こんな恐ろしい夢を見ることがあります。目覚めて、ほっと胸を撫で下ろすと同時に緊張感も走ります。

「おはようございます」、私の部屋に社員が挨拶に来てくれる、こんな朝を当たり前に迎えられる環境を心からありがたく思います。

 習慣でやる朝の挨拶は、お互いが相手の様子を窺うことになりますから、いい意味で演じたいものですね。

 挨拶は形式だけの意味のない儀式だと思っている節のある社員には、呼び止めて意味を教えることもあります。挨拶に限らず演じることは大切です。伝わったことがすべてなのですから。

 初めて出会った人も、毎日会っている人も、必ず挨拶から始まります。はじめの一歩の踏み出しが悪いのに、二歩目が良くなることはありません。

 かつて大石会計があったビルには3つの会計事務所が入居していました。看板を見て、ビルの管理人さんに会計事務所の紹介を依頼される方が時々いました。

 そんな時、ありがたいことに管理人さんは必ず大石会計を紹介してくださったのです。管理人さんとは特に親しいわけでもありませんし、大石会計の仕事ぶりも知らないのにです。

 理由は、大石会計の社員がビル内で出会う方々に気持ちのいい挨拶をしていたからでした。他の会計事務所は違ったのでしょう。たったそれだけの差です。たかが挨拶、されど挨拶ですね。

 経営者はもちろんですが、一介の会社員であっても、本当に心地いい挨拶ができる人の生涯収入は2,000万円以上違います……たぶん。挨拶だけで年収100万の差が出るというのが私の持論です。

 それにしても、挨拶に添える一言でその人の格が分かりますよね。この点について、私は人のことを言える立場にもありませんけれども。