40歳

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『男は40歳を過ぎたら、自分の顔に責任を持て』と言ったのはエイブラハム・リンカーンです。 

 親から授かった顔なのでどうにもならないと言えるのは子供だけです。年を重ねると、それまでの生き方は嫌でも顔に表れるものです。見えないのは自分だけで、他人は無意識のうちに読み取ってしまいます。

 40歳は人生の頂点だと私は思います。収入や社会的な地位はその後にさらに上がるかもしれませんが、心身ともに最も充実しているのが40歳前後だからです。

 ですから、若い人には理想的な40歳を意識して20~30歳代を過ごして欲しいものです。何かを多少犠牲にしてでも自分磨きに時間とお金をかけるがいいのです。40歳になっても社会的な結果を残せなかったらその先は知れたものです。

 もちろん社会的な成功だけが人生ではありません。自分と関わったことで幸せな人生を送れている人がいる、出会えてよかったと心から思ってくれる人がいる、それはまた素晴らしい人生だと思います。40歳、50歳になって自分の幸福を第一に考えているようではそれも少し残念な人生です。

『四十五十にして聞くこと無くんば斯(そ)れ亦畏(またおそ)るるに足らざるのみ』(論語:子罕第九)……四十歳、五十歳になっても何の名声も聞こえてこないようでは大したことはない。なんとも手厳しい言葉です。