長女の就職が決まり、会社から入社前に勧められた推薦図書一覧が送られてきました。
AMAZONで注文しようとする娘に、私は本棚から何冊かを探し出して手渡しました。その中の一冊は『人を動かす』(デール・カーネギー著)です。
これは40年近く前の銀行員時代に知人からいただいた本です。そこには、それまで家庭でも、学校でも、職場でも聞かされたことがない教えが満載でした。
情報が溢れる現代にあっては、書かれている内容はインターネットのどこかに書かれているかもしれません。しかし当時の私には衝撃でした。
その後、何度読み返したかわかりません。間違いなく私の人生に大きな影響を与えた一冊です。
その赤ペンと手垢で汚れた本に、かつての父親がどんなことに関心を持ったのか、どのような人生を歩んできたのか、娘なりになにかを感じて欲しいものです。
論語もそうですが、本は読んだからと言って身につくものではありません。とはいえ、少なくとも興味も関心もないことは絶対に身につきません。どんな本を読むのかは大切です。
たった一冊の本が人生を変えることがあります。若き日に私の目の前が開けたように、娘にとって小さな気付きのひとつになってくれたら嬉しいです。