こんなことを若い人に言うと引かれるかもしれませんが、達成感は苦しみの大きさに必ず比例します。これは私が60年生きてきての真理です。
学年で100メートル走が一番になったとか、テストで満点がとれたからといって達成感があるとは限りません。もともと足の速い人、頭のいい人は一番になって当たり前なので達成感なんて絶対にありません。
いい結果や記録そのものに達成感はないのです。そこに至る過程の苦しみや辛さがあるからこそ生まれるのが達成感なのです。つまり『苦しみ+結果=達成感』です。
そして達成感の大きさには振り子の原理が働きます。苦労が大きいと達成感は大きく、苦労が小さいと達成感もそれなりです。よって、人生で大きな達成感を味わおうと思うのなら、大きく苦しむのがいいのです。
しかし、果てしない目標に向かって頑張り続けられるのは稀な人です。結果の伴わない努力だけでは誰だって凹んでしまいます。普通の人は小さな目標を重ねて次第に大きな結果に結びつける方がいいのです。
ポールJマイヤーは『成功とは、自分にとって価値ある目標を予め定め、順を追って達成していくことだ』と定義しました。小さな目標を一つずつクリアして、一歩ずつ階段を上ることが成功なのだと言ったのです。なんだか合点がいきます。
この年になって気付いたのですが、努力は誰にでもできるものではありません。努力が苦手な人もいます。
立派な大学を優秀な成績で卒業しても、社会に出たら勉強がまったく足りない人がいます。野球名門高校で甲子園出場したのに、仕事となったら全く根性のない人がいます。本気を出すべき社会人になる前に燃え尽きたとしたら残念なことです。
もしも仕事上の努力が苦手な人の場合は、人に優しくする、気遣いするなど、周りが働きやすいように心がけてはいかがでしょうか。それも一つの努力なので、いずれは結果に繋がるはずです。
そしてそれも苦手な人は、それなりの人生ということで…。