国立の駅前大学通りの桜は今年も満開になりました。まさに春爛漫と言いたいところですが、このコロナ禍において気分はパーっと晴れやかになれません。
世の中は入学、卒業、就職の季節でもあり、ここでも密を避けるための工夫には感動も感慨も薄れがちです。
先日監査法人に就職した我が家の長女はまだ一度も会社に行けていません。300人の新入社員は入社式も研修もすべてリモート開催でした。就職活動中から今日まで採用担当者、上司、同期社員等会社関係の人とは誰一人としてリアルに会えていません。不思議な感じです。
弊社では10年以上続いている経営フォーラムは昨年に続いて今年も開催は見送りました。社員旅行にも行けません。しかし文化祭や修学旅行もない学生を思ったらまだマシです。
コロナで働き方も生活も大きく変わりました。個人的には財布のお金が減らないことが一番の変化です。夜の飲食の機会がほぼなくなった影響は大きいです。
世の中ではコロナ禍で経営難に陥っている会社が多いかのように思われています。意外なことに、一部の業種を除いて中小企業経営者が困っているという話を私はあまり聞きません。
統計的にみても倒産件数は過去数年でいまが一番少ないのです。中小企業には国等から手厚い保護が施されています。本来なら市場から退場する会社もコロナ様のお陰で生きながらえているケースは少なくありません。ここに充てた国家の借金は未来を背負う若者たちが負担するのですからお気の毒です。
休業している飲食店、社員を解雇した会社は、世の中が平時に戻った時に通常営業に戻れるのでしょうか。補助金や給付金、コロナ融資のお陰で緊張感のない経営を経験した経営者はまた元に戻れるのでしょうか。本当に心配です。