せっかく採用したのに長続きしない、そんな社員が多くありませんか。中小企業では珍しいことではありません。
では中小企業に入社した新人が3年以内に辞める確率はどれくらいかご存じですか。このデータを見たとき正直私も驚きました。
なんと東京圏の中小企業においては75%、つまり4人採用しても3人が3年以内に辞めるというのです。
これは10年以上前の古いデータですが、人材の流動化が進んだ現在ではこの割合はさらに高くなっているはずです。
採用することの難しさ、定着させることの難しさ、育てることの難しさを実感している中小企業の社長が多いのも頷けます。
しかし、外部から見る限りは、どの会社も離職率はそんなに高そうに思えません。逆に、社内には長く働いているベテラン社員が目立ちます。
つまりベテラン社員の向こう側には、育たないまま、記憶に残らないまま辞めていく新入社員が多くいるということです。
人材育成における最大のテーマは、入社後3年以上勤めてもらえる環境づくりと言ってもいいかもしれません。3年続いたら10年勤める可能性はかなり高くなるのですから。
社員に迎合する必要はありませんが、お互いが本当の意味で分かりあう前に見切るのも、見切られるのも良くありません。
もっとも、この離職率の高さは都市部限定です。地方の村社会では理解できない現象だと思います。
私は山梨出身なので顧問先は山梨にもありますが、山梨の中小企業では社員の出入りは本当に少ないものです。東京と比べたら、ないも同然です。それはそれで良いのか悪いのかよく分かりませんが、その点においては穏やかな経営ができることは確かです。