小町
寒さも和らいで春の気配を感じる今日この頃です。
春は出会いと別れの季節です。
大石会計事務所でもすでに楽しみな出会いが控えています。そして残念ながら、別れも…
所内でも引き継ぎが始まっており、私もいくつか引き継ぎが決まっています。惜しまれての退職者の後任になるので、緊張もあります。
業務内容だけでなく、顧問先さまとの関係性、事務所への期待を裏切らない後任であるか、せっかく今まで歴代担当者が繋いできたバトンをうまく引き継げるか、何年経験をしても不安があります。
そんな時、思い出すのが数年前に退職された方の言葉です。その時も同じように引き継ぎを受けて、後任の挨拶に伺った帰りでした。
「一回だけ、一回だけなら全部自分のせいにしていいから。そのカードは一回はきれるから」
私よりも経験の長い方からの引き継ぎでしたので、担当した事のない規模と業種でした。いまの自分の知識ではとても対応できない…そんな不安を感じ取ってくれたのかもしれません。短い引き継ぎ期間で全てを伝えきれず、顧問先さまと後任である私に迷惑をかけてしまうと思ったのかもしれません。
なぜ一回だけなのか?それはあまり何度も前任者や事務所のせいにすると、顧問先さまからの信頼を失うからです。誰でもミスはします。自分のやった仕事でない事で頭を下げることなんていくらでもあります。いつも前任者や事務所のせいにしてしまうと、「いまの担当はあなたでしょ?どうなってるの?」と顧問先さまに言わせてしまうでしょう。いつまで経っても新たな関係性を築けず、結局は自分を下げる事になるのです。
幸い、なんとかまだカードをきらずにいられています。
一回だけのカード、いつしかお守りのように大事に抱えるようになりました。