大谷
新型コロナウイルスの感染拡大により、ほんの一、二ヶ月前からは想像もしなかった事態が目の前に起きています。
そんな中、人間とはかくなるものかと衝撃を受けたのが、デマによる紙製品の欠品でした。不安に駆られた大衆が情報の真偽も分からぬまま、スーパーなどでトイレットペーパーや紙製品を買い漁る光景、紙が無くなっているという事実も無いのに、異様な状況です。
発端はともかく、集団心理とはこういうものかと痛感させられた出来事でした。集団心理は群集心理ともいいますが、イギリス生まれの心理学者、W・マクドゥーガルは群集心理の特徴を挙げています。
その中でこの騒動は、「過度の情動」「衝動性」「極端な行為」「単純かつ不完全な推理」「自尊心と責任感の欠如による付和雷同性」この辺が該当してくるのかなと思いました。我先に、なんとしてでも自分だけは、そんな心の声が聞こえて来そうです。
平常時はそんなことが無くても、集団が同時に動く状況下では特殊な心理状態にもなるかと思います。かつてあったオイルショックの時もこのような感じだったのでしょうか。
9年前のこの時期、東日本大震災が発生し、日本中が混乱していました。津波や原発のメルトダウン。物流が止まり、日常は一瞬にして非日常へと変わりました。
震災で、日本中からあらゆる物資が一瞬で無くなった分けでは無いにもかかわらず、身の回りからは様々な物資が消えていました。物流が止まることで起きる現実を見ました。
私たちが当たり前のように過ごしている日常は、非常に脆いバランスの上に成り立っているものですから、少しバランスが崩れても動じないぐらいの日々の備えが重要だなと、改めて思いました。