田中
住宅業界をいま「ウッドショック」が震撼させています。この「ウッドショック」とは木材の供給が極端に減少し販売価格が高騰している状況をいいます。国内市場で売買されている木材(丸太)は主にアメリカ・カナダ製のもので、その輸入木材の供給が減少しているため、そこに依存している日本はかなりの影響を受けています。
木材を取り扱うお客さまを訪問した際、その請求書を見ると、なんと単価が1.5倍から2倍に急騰していました。ニュースでの出来事を現実として突き付けられた場面でした。そのお客様は住宅の建設に直接に関わっていませんが、間接的な影響をとても懸念されています。住宅の建設が少なくなること、ローンの貸出数が少なくなること、材料の抱え込みが起き始めていることなどなど。
日本に輸入されなかった木材は、中国へ輸出されているようです。理由は様々ですが、日本の輸入木材の検査が厳しすぎるという話も聞きます。
資本主義が前提の上ですが、自給自足の経済よりも開放経済が世界的に良いことであるとは、義務教育で教わりました。しかし各国の政治状況など現実はさらに複雑であり、その中でも、各国が最良の選択をしていかなければならないことは、とても難しいことであると感じています。