高津
1人息子が先日入籍をしました。このコロナ禍の中では結婚式や披露宴、パーティーなどは行えず、「入籍しました」と写真がLINEで送られてくるのみです。
最後の親の務めとしては、先方にご挨拶に伺い、顔合わせをさせていただき、大切なお嬢様をいただくわけですからそれなりの儀式をはたしてきましたが、本来は式も挙げて、黒留袖など着て、息子の小さい頃を思い出しながら涙をほろりと流したかったものです。
いわゆるシングルマザーとして20年ほど過ごしている時の子育てでした。生活を守るため、金銭面で不自由な思いをしたくなかったので安定した収入を稼ぐ事、私自身も早く仕事を覚え、会社で役に立つ人間になりたかった事。そのためには仕事に勉強にと、子供の事だけを考えて生きてこれたわけではなかったので、世間並みにしつけや教育ができていたのかは全く自信のないところです。
反抗期を経て、ちゃらんぽらんの大学生活を経て、社会人となり、はたしてこの先はどうなるやらと思っていましたが、社会人となって6年、同じ職場で働き続けています。
今どきの新卒の離職率は10%、3年以内の離職率は30%と転職が当たり前となっているようなので、継続して働き続け、職場に貢献出来ているのであれば私も嬉しい限りです。
先日の息子との電話のやり取りの中で、「おかんは仕事ではずっと忙しい人だよね。」と不満ではなく言っていました。私も前職では気が付いたら20年以上の月日を過ごしていたのです。大変な時も、転職を考えた時もありましたが、その都度何とか乗り越えられたのはもちろん子供のためも大きかったです。そんな必死だった親の背中を見て子供のころから色々と感じていたのだと思います。
社会に出ると、理不尽な事もたくさんありますし、時間も自由ではないですし、思い描いていた仕事とは違うかもしれないけれど、責任感を強く持ってまずは続けてみることが大切だと思います。仕事をする私の姿勢を子供ながらに何かを感じてくれて、大人になった彼がそれを活かしてくれているのであれば、私の背中もまんざら悪くはなかったのかなと思う事ができました。