日本中がコロナで翻弄され続けた3年間でしたが、多くの事業者が補助金、助成金、給付金等で救われました。一方で、これらの不正受給は相当な額になっていると容易に想像できます。
顧問先の税務調査で不正受給が発覚したケースがありました。さてみなさん、この場合に税務署側はどのような扱いをすることになるでしょうか。この事実が、関係省庁にバレたら返金するだけではは済みません。
結論から言いますと、税務署から警察、検察や他省庁に通報はされません。しないと言い切ってはいけませんが、これまでの経験からしても、通報されることはほぼないと思います。
件の税務調査でも、数千万円の補助金等を不正受給していることに対して調査官は、「いち国民としては納得できませんが、税金さえ払ってもらえたらそれで結構です」ときました。なんて心の広いお役所なのでしょうか。こんな縦割り行政は日本をダメにします。
因みに、刑事訴訟法239条2項には、「官吏または公吏(公務員)は、その職務を行うことにより犯罪があると思料するときは、告発しなければならない」とあります。
私は法律の専門家ではありませんが、そこに犯罪があると明らかであっても、それを告発しないというのはこの条項に反していると思うのですが。
先ほどの顧問先には税務調査の終了と同時に顧問契約を解約させてもらいました。我々は役人ではないので、できる限り融通を利かせ顧客に有利に計らいたいと思っています。
ただ、犯罪チックなことまで受け入れて単なる税務申告の代理屋でいたくありません。それでは、弊社のまともな社員のモチベーションは維持できません。言っていることとやっていることとの間の矛盾は小さくありたいものです。