中高時代の友人が河口湖のスナックに集まりました。この頃は学生時代に親しかった友人と会う機会もめっきり減りましたが、会うと一瞬で昔の関係に戻れるから不思議です。
若いころには人には言えないような悪さもあり、恥ずかしい出来事もあり、お互い秘密を知り合っている気が置けない仲間たちです。
私が20歳代で税理士試験の勉強をしていた時、「大石には悪いので」と気遣って私に声もかけずにスキーや旅行に行っていた仲間です。
私が税理士試験に受かった35年前、「大石が受かったから飲もうぜ」と行きつけのスナックで祝ってくれたのもこの仲間たちでした。
今回は私の声掛けで35年前と同じスナックに集まってもらいました。当たり前ですが、話題は若いころとはまったく違います。
定年を迎えたサラリーマンも自営業者も、これから何かを成したいという仕事の話題は一つもありません。
日ごろ仕事で関わる経営者たちとほど刺激的ではありませんが、穏やかな友人との交わりに心は洗われました。
そして、これが普通の60歳代であることにも気づかされました。残された人生は、競争に勝つ社会的成功ではなく、相手を受け入れまた相手に受け入れられる人間的な成功を目標にしたいと思えた仲間との一夜でした。