いい会社

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20160530

「社員にとっていい会社」なんて、創業当初は考えたこともありませんでした。そもそも社員がいませんでした。

当時何を考えていたかというと、ハッキリ言って将来どうなりたいなんて目標や夢ではなくて、1件でもお客様を増やして、安心したいだけでした。生存の欲求ですね。

どうにか生活ができる目処がついてきてからの目標も売上げでした。年商1000万円です。その当時の集客は紹介以外に方法がなかったので、とにかく一所懸命お客様に喜んでもらえるような仕事をすることだけでした。 

開業から1年半して、初めて社員の募集をしました。しかし残念ですが夫婦で営む小さな事務所に、有能な人が面接に来てくれるはずがありません。私が求職者だったとしてもゴメンです。

当時はバブルの余韻がまだ残る完全売り手市場でしたから。採用しては辞められ、また採用してはクビの連続でした。

開業15年くらいしたとき、これからの経営は顧客満足の上をいく顧客感動だと言って、感動経営に舵を切りました。当時の社員数は7~8人だったでしょうか。それに共鳴してくれる社員もいましたが、反対に「方向性が違う」と言って去って行く社員もいました。

私自身、感動経営と言いながら、意識はお客様だけに向かい社員の感動に対して気遣いが足りなかったのかもしれません。

元々、社員に働かせて自分だけいい思いをしたいなんて考えはありませんでしたが、お客様満足のためには、社員は我慢や犠牲も必要だろうと思っていました。

それがある日突然、お客様感動のためと言って更なる要求を突きつけるのですから、社員にとっては迷惑な話だったでしょう。

社員にとっていい会社にしたいと思うようになったのは、開業して20年近く経ってからでした。

・・・続きは次回。