きれいごと

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20160222

「きれいごとでは会社は儲かりませんよ」と言い放つ経営者がいます。そんな経営者には「働きがいのある会社」とか「社員にとっていい会社」はまったく興味の涌かない話題です。

 たしかに、社員について業務以外の話題がない、社員の将来や人生に関心がない経営者の下でも儲かっている会社も存在します。

 会社はお金を生み出す道具なのでしょうか。社員も道具の一部なのかもしれませんね。だとしたら、経営って仕事はまことに卑しい職業ということになります。

 どんな立派な理念経営をしたところで、利益を上げられないのでは会社は維持できません。

 これについて、二宮尊徳さんは「経済なき道徳は寝言だ」と言っております。一方で尊徳さんは「道徳なき経済は罪悪だ」とも言っているのです。

 私も20数年前に家内と二人で創業した当初は、食べていくことに必死でした。どうにか社員を雇えるようになったとき、未だ見ぬ社員にとっていい会社を創ろうとは考えませんでした。ですから、社員満足や働きがいの向上という思考のない経営者のことも理解出来ます。

 働きがいの向上は、会社が優しく包み込むような緩い環境と高待遇を提供することではありません。働きがいの第一歩は、経営者が社員に関心を持つことです。

 中小企業は経営者の考え方が文化や症状となって現れます。ですから経営者の人生観はとても大切です。儲からないのはきれいごとを言っているからではありません。経営者の考え方に問題があるからです。

 みんなできれいごとを言いながら儲け続ける会社をつくっていきたいものですね。