完全売り手市場

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 最近社員を募集した会社の方はお分かりと思いますが、いまは本当に売り手市場になりましたね。中小企業には特に厳しい時代になりました。

 東京オリンピックまでは好景気が続くと言われていますから、買い手にとって厳しい時代はしばらく続くのだと思います。

 それにしても、いまの少子化で日本の人口減は止まりません。このままでは将来の就業者人口は確実に減ってしまいます。もしかしたら、売り手市場は一時的なものではなくて、これからずっと続くのかもしれません。

 いま40歳代の第2次ベビーブームの人たちの1学年は200万人いたのですが、2014年に生まれた子供は約100万人です。たぶん今年は100万人を割り込むことになるでしょう。特殊出生率が1.4では子供はますます減っていきます。

 なのに人口減が緩やかなのは、お年寄りがどんどん長生きになっているからです。日本人の平均寿命は男性81歳、女性は86歳を超えています。つまり日本はお年寄りがどんどん増えて、子供がどんどん減っているのです。

 みなさまは平成になって20数年間の間に、平均寿命がどれだけ延びたかご存知ですか。私は驚いたのですが、男女ともに5歳くらい伸びているのです。しかし、いつまでも寿命が延びるわけではありません。間もなくどんどん人口が減る時代がやってきます。

 就業者の人口減と同じ割合で、経済規模が小さくなったら、ある意味バランスが取れることになるのですが、それって国家が衰退することなのであまり楽しいことではありません。

 つらつらと人口の話をしてきましたが、結局何を言いたいかというと、社員にとっていい会社を創っていかないと、人材が採用できない時代がやってくるということです。

 新規客の獲得コストは既存客の維持コストの5倍かかると言われますが、社員の採用コストも維持コストの5倍くらいかかる気がします。

 首都圏の中小企業に入社した社員の4人中3人が3年以内に辞めるというデータがあります。退職した社員の穴埋めのための採用では、求人、採用、教育etc、余計なコストがかかってしまいます。この余計なコストを福利厚生に回したら、社員は喜んでくれます。

 経営者には売上げや利益だけでなく、社員にとって働き甲斐のある会社を創ってほしいものです。私も偉そうにいえる立場にもありませんが、そんなことを語り合える経営者仲間が増えたらきっといい世の中になります。経営者の影響力は大きいのです。