どう生きるか

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「感謝が大切」「素直になることが大切」「変わることが大切」。

 某社の幹部が部下に向かって、少し上から目線で話していました。

 しかし、そう言われて感謝するようになった人、素直になった人、素晴らしく変わった人に出会ったことはあまりありません。

 伝えたいことは誰にも理解できます。しかし説得することは出来ても、本気にさせることは簡単ではありません。言っている幹部にしてもどれだけ出来ているのやら。

 部下の立場では、何を言われたかが問題ではありません。誰から言われたかが問題なのです。尊敬している上司の言うことに対して、部下は影響されてしまうものです。

 同じ会社の女性幹部が部下の日ごろのご苦労に対して、じっと部下の目を見ながら少し涙目で言いました。

「みなさん本当にありがとう」

 多くを語らずとも、こんな上司の言葉に部下の方は救われる思いになるのではないでしょうか。

「みんなが相手のために支え合えることが大切です」

 相手に強制するでもなく、もたれるのでもなく、お互いが支え合おうと優しく語りかける姿には、聞いている私の心が動かされました。

 上司は、教える上司よりも見せる上司でありたいものです。部下に何を言うか、どう接するかよりも、部下の前でどう生きるかが問題なのです。

 教えずとも、語らずとも、自分の生き方が周りの人たちの生き方に大きな影響を与えるような、そんなおじ様になりたいものです。