「あなたの会社は社員に恵まれていますか？」

　そんな質問に、多くの社長からはあまりいい答えが返ってきません。社員の愚痴を口にする社長も少なくありません。

　たしかに中小企業には有能な社員があまり集まりませんから、社員に納得のいかない社長も多いと思います。しかし、そもそもあなたの会社は有能な人材が就職を希望したくなるような会社でしょうか。大石会計事務所はまだまだです。

　社長のように実力もやる気もある社員でしたら、やはり社長のように会社を飛び出して起業するかもしれません。そんな社員を引き止めておくだけの魅力が、あなたの会社にはあるでしょうか。

　もしかしたら、社長が望む理想的な社員は、仕事はできるけれども起業するだけの甲斐性がない人ということはありませんか。

　私はダメ社員がいいとは言いませんが、このごろは社内のダメな社員にも意味があるという気がしています。

　社内では、ダメな社員が辞めても、必ずそのポジションに落ちてくる社員がいるのです。ダメ社員がいることいで救われている社員がいるのです。巨人軍のように、4番バッターだけ集めても勝てるチームは出来ないのです。

　私が25年間中小企業を経営し、また多くの中小企業に関わってきて分かったことは、社長が社員を好きになれない会社にいい会社は少ないということです。社員が自分の子供だとしたら、出来の良し悪しで好きになったり嫌いになったりはしません。

　社員を変えようというのではなく、社員のすべてを受け入れられたら、きっといろんなことが変わっていく筈です。