現在高校3年生のわが家の長男、一応進学を予定しているのですが、ふと気付くとリビングのテーブルの上には『北九州予備校』のパンフレット……。家内が取り寄せたのです。
どうして北九州予備校なのか分かりませんが、ネットで調べると、なんでも厳格さがモットーの予備校なのだそうです。
校則もない自由な校風の中高一貫校で、大学生のようなキャンパスライフを送ってきた長男には、その方がいいのかもしれません。
それにしてもセンター試験まであと1ヵ月。世間の受験生は血眼になって勉強しているところですが、長男はこのひと月ほど毎晩パソコンと格闘です。
というのは、学校で卒業アルバム委員とやらを引き受けているからです。帰宅すると夜中の2~3時までイラストレーターでアルバム制作です。
なにもこの時期にと、親は思ってしまいます。本人も受験を控えて多少ストレスは抱えているようですが、自分が好きでやっているのですから文句も言いません。
家内は心配したのか諦めたのか分かりませんが、小耳に挟んだ「浪人生に強い北九州予備校」のパンフレットを取り寄せたのです。
この時期に勉強していないことは受験生にとっては大きなマイナスです。しかし考えると中学生の頃からずっとそんな生活をしていた長男です。頼まれたから、好きだから、遣り甲斐があるからしているのです。
何の対価もないのにやり通す、泣き言を言わない、言い訳をしない、この頃はこんな長男を少し誇らしく思う親バカです。
この経験はいずれ社会に出てから役に立つはずです。そしてこの経験をした長男は、会社勤めをしてからも、「ブラック企業」とか「未払い残業」などと言い出すことはないと思います。