3ヶ月前のことです。入社予定の方から、入社予定日の前日に辞退の連絡が入りました。いわゆるドタキャンというやつです。
その方の採用は2ヶ月も前に決定していました。しっかり現事務所の引継ぎをしてから転職するようにと伝えて待っていた結果でしたから、少し残念な気持ちになりました。
まあ、ご縁がなかったということで仕方がありません。しかし、おかげさまで再度求人することで、いい人材が採用できたので結果オーライでした。
むしろあんな断り方をしてしまった彼の方にダメージが大きいのではないかと、かえって気の毒に思えてきます。
私は26歳で会計事務所に就職しました。真面目に会社訪問をして数社から内定をいただいた結果、就職したのは上野にあるI会計事務所でした。
実はその時、品川にあるI会計事務所という、上野の事務所と同じ名前の事務所からも内定をいただいていました。
私は、丁寧な仕事をされる品川のI会計事務所がとても気に入りました。一方、上野のI会計事務所は最も遠慮したいと思った事務所でした。
では、どうして私が上野のI会計事務所で働くことになったのか。
品川のI会計事務所にお電話して、「これからよろしくお願いします」とお伝えし、入社スケジュールについて打ち合わせしていたとき、大変なことに気付きました。
品川の事務所に電話しているつもりだったのに、間違って同じ名前の上野の事務所に電話をしていたのです。
小心者の私は、間違って電話してしまったと言い出せません。「まっ、いいか!」と、そのまま上野の事務所で働くことにしたのです。
しかし結果論ですが、その上野の事務所では多くの学びがありました。メチャメチャな事務所でしたが多くのチャンスをいただき、経営者としての基本は全部そこで学べました。結果オーライでした。
人生どう転ぶか分かりません。30年後なんてどうなっているのか分かりません。自分自身の過去を振り返っても、周囲の方を見回しても、結局どの会社に就職するかよりも、そこでどのように過ごすかの方がよっぽど大切なのです。